|
人身傷害保険(人身傷害補償保険、人身傷害補償担保特約)とは、契約の自動車や他の自動車に乗車中の自動車事故で、本人(被保険者)や同乗者が死亡・後遺障害・傷害を受けた際に補償される保険です。この保険は、乗車中の事故だけでなく、歩行中の自動車事故の場合でも補償されます。
人身傷害保険の保険金は、傷害の場合は治療費や休業損害、死亡した場合は「逸失利益(もし生きていたら将来に得ることができたはずの利益)などの実損害額」を、①過失割合にかかわらず(本人過失分も含めて支払ってくれる)&②保険示談交渉の完了を待つことなく、保険金額を限度に支払われます。
「自分や同乗者が死傷してしまった場合の補償をするための保険」という点では、前出の搭乗者傷害保険と共通していますが、搭乗者傷害よりも スムーズ かつ 十分な保険金
を受け取れるという点が異なります。また、休業損害、精神的障害、慰謝料など保険会社が支払ってくれたり、記名被保険者とその家族は歩行中でも補償してくれたり、自損事故保険(自損事故特約)もカバーされていたり等、大変厚い補償内容となっています。巷で「完全補償型保険」と言われるのもうなずけます。
ただ、「逸失利益の実損害額」というのは、過去1年間の収入や平均月収をもとに、将来に得られるであろう収入を保険会社側で算出するというものです。このため、仮に1億円の人身傷害保険に加入していても、単純に1億円を払ってくれるという意味ではないので、ご注意ください(損害額の具体的な算定基準は、保険会社ごとに設定されています)。
参考: 死亡した場合の損害額 の算出例(一例)
年齢 |
扶養家族あり |
扶養家族なし |
25歳 |
7,000万円 |
6,000万円 |
35歳 |
8,000万円 |
7,000万円 |
45歳 |
8,000万円 |
7,000万円 |
55歳 |
6,000万円 |
5,000万円 |
|
仮に人身傷害保険を付ける場合、5,000万円~1億円の保険金額に設定するのが理想的ですが、保険料の節約のため実際には3,000万円程度としている人も多いようです。人身傷害保険を申し込むことにより保険料の上乗せ額がいくらになるのかをチェックして、付帯するかどうかを検討してみましょう。ちなみに、損害保険に関する全国調査2001年11月(社団法人日本損害保険協会)によれば、人身傷害保険の付帯率は34.6%となっています。任意保険をかけている人が約70%ですので、保険加入者の約半数が付帯していることになります。ただし、申込者の等級が低い場合には、この人身傷害保険の保険料はかなり高くなります。 |