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  車両保険のかけ方  
1. 車両保険とは
2. 車両保険の種類と補償範囲をチェック
3. 車両保険免責金額とは
4. 車対車免ゼロ特約とは


  1.車両保険とは  

 車両保険とは、衝突、接触、火災、台風、盗難などにより損害をこうむったときに支払われる保険をいいます。通常、装備品なども対象となります。

 保険金額(車両保険金額)は、各保険会社で「自動車保険標準価格表」を作成し定めています(簿価や時価などの基準を根拠に算定)。例えば平成21年購入の トヨタ・ウィッシュ であれば、車両保険金額は150万円~220万円程度の幅で設定可能です(某保険会社の設定価額)。使用年数が多ければ、車両保険の金額は下がります。

 なお、当初のクルマの購入金額が250万円で、現在の市場価値(購入後1年経過)が180万円で、車両保険を200万円に設定した場合、仮に事故で車両が全損(使用不可能な状態)したり盗難にあったときは、200万円の保険金が支払われます(満額の保険金が支払われます)。ただし、一部損壊とみなされた場合は、その損壊の修理に見合う金額のみが支払われます。


  2.車両保険の種類と補償範囲をチェック  

 車両保険の種類は、補償の範囲によって一般タイプ限定タイプエコノミータイプ3種類に分かれます。この種類によって、補償範囲や保険料が大きく変わってきます。自分が納得できる範囲の補償を選びましょう。

 まず、「一般タイプの保険 (一般車両保険)」についてですが、これは損害すべてを補償している保険です。単独事故(自分のミスによる電柱衝突など)や当て逃げもカバーされる完璧な保険ですが、保険料はそれだけ高くなります。

 次に、「限定A特約、A特約」は、一般車両保険の内容から単独事故・当て逃げなどを除き、更に後述のエコノミー保険の内容を除いたものをいいます。一般的には、「エコノミー保険」とこの「限定A特約」がセットになっており、「限定タイプの保険 (エコノミー+限定A特約)」などの名称で紹介されています。

 そして、最後に「エコノミータイプの保険 (エコノミー車両保険、車対車特約)」は、他車との接触などによる損害だけが補償されている保険をいいます。

保険節約派は・・・
 エコノミー車両保険だけなら保険料は大変安いのですが、盗難やガラス破損などもカバーされず、大変物足りない内容です。したがって、保険料節約派は、エコノミーにA特約を付けた「エコノミー+限定A特約 (限定タイプ、車対車+A特約)」を申し込む人が多いようです。なお、繰り返しますが、「エコノミー+限定A特約」は、単独事故や当て逃げなどはカバーされませんので、ご注意ください(下表参照)。

エコノミー
(車対車)
エコノミー+
限定A特約
(限定タイプ)
一般車両保険
(一般タイプ)
他車との衝突,接触,追突
原付との衝突,接触
盗難
火災・爆発
暴力行為(騒擾行為)
台風・洪水・高潮
落書・ガラス破損
物品飛来・落下
単独(自損)事故
自転車との衝突
当て逃げ
転落・転覆
相手との非衝突事故
(この他、一般タイプの上に「上級タイプ」というクラスを設け、弁護士費用や宿泊費用などをセットにしている保険会社もあります。このクラスの設定がない会社は、弁護士費用特約や、事故付随費用特約などの「特約」を付けることによってカバーすることができます)

エコノミー車両保険(車対車特約)の補償範囲
 (1)他車(車同士)の衝突・接触・追突、(2)原付との衝突・接触、(3)荷台からはみ出している積載物との衝突・接触

限定A特約(A特約)の補償範囲
 (4)盗難、(5)火災・爆発、(6)騒擾[そうじょう]等の暴力行為(バット等などの暴力)による破損、(7)台風・洪水・高潮、(8)落書き・ガラス破損(9)物の飛来・落下
 なお、上記 (1)~(3) と (4)~(9) を足したものは、「エコノミー+限定A特約」 や 「車対車+限定A特約」 あるいは総称して 「限定タイプ」 などと呼ばれています。

一般車両保険(一般タイプ)の補償範囲
 上記(1)~(9)、(10)電柱・ガードレールに衝突、車庫入れ失敗 等の単独事故(自損事故)、(11)自転車との衝突・接触、(12)当て逃げ、(13)転落・転覆[てんぷく]、(14)相手はあるが実際に接触しなかった事故(ぶつかるのを避けて電柱に衝突する等)


  3.車両保険免責金額とは  

 車両保険免責金額(車両免責金額)とは、車両事故を起こしたときに、事故を起こした本人(保険契約者等)が自己負担する額のことをいいます。つまり、「免責」とは、保険会社側の支払い義務が免責されること(補償の対象とならない金額のこと)をいいます。何回事故があっても負担額が変わらない「定額方式」と、2回目以降の事故の負担額が1回目の事故の負担額よりも高くなる「増額方式(例:1回目 0万円 - 2回目以降 10万円 など)」の2種類があります。自己負担額が軽くなるほどその分保険料は高くなります。

 「 車両保険 免責金額 10万円 」の場合は、「10万円は自己負担してください」という意味になりますが、実際には自分の過失割合が5割であった場合は、5万円の負担で済みます(残り5割は事故相手の保険会社等が負担)。

(保険会社により設定条件は異なります)
保険料 1回目の事故 2回目以降 コ メ ン ト
高い 0万円 10万円 1回目は自己負担額ゼロ
3万円 10万円 1回目は3万まで自己負担
安い 5万円 10万円 1回目は5万まで自己負担

(保険会社により設定条件は異なります)
保険料 補償額 コ メ ン ト
高い 5万円 初回から5万円の自己負担 (2回目以降も同額)
10万円 初回から5万円の自己負担 (2回目以降も同額)
安い 15万円 初回から5万円の自己負担 (2回目以降も同額)


  4.車対車免ゼロ特約とは  

 車対車免ゼロ特約(車両保険免ゼロ特約、免責ゼロ特約、免ゼロ特約)とは、車の衝突や接触事故を起こして、先方の自動車と運転手(もしくは所有者)が確認できた場合に、第1回目の事故に限って免責金額(つまり本人の自己負担額)がゼロになるという特約をいいます。言い換えると、1回目の事故だけは保険会社が事故費用を補償するというものです。

 すなわち、先方の自動車と運転手(所有者)が確認できる事故に限り、 「<1回目> 5万円 - <2回目> 10万円(車対車免ゼロ特約付き)」 と 「<1回目> 0万円 - <2回目> 10万円」 は、ほぼ同じ補償内容になります(先方の自動車&運転手<所有者>が確認できない場合は、この免ゼロ特約では補償されませんので、ご注意ください)